西洋占星術のホロスコープにおいて、職業は第10ハウス、第6ハウス、第2ハウスと深い関係があります。
第10ハウスと第2ハウスの良い関連は自己主張できる仕事の成功を表し、第6ハウスと第2ハウスの良い関連は自己主張を必要としない仕事の成功を表します。
自由選択の幅が大きい仕事は第10ハウス、自由選択の幅が小さい仕事は第6ハウスと特に関係があります。
基本的に経営者は第10ハウス、サラリーマンは第6ハウスを見ますが、日本では職種によっては経営者でも第6ハウスを見る場合があります。
例えば保険の代理店経営など自由選択が少ない場合です。
弁護士、建築士、技術士などの職業の本質も第6ハウスとなります。
開業医や経営者は第10ハウス、第6ハウス、第2ハウスの全てを見ます。
第10ハウスに入る天体によって適性のある職業が分かります。下記の通りです。
第10ハウスには第9ハウスの最後の5度も加えて考えます。
もしなければMCのあるサインの支配星で代用します。
太陽 | 役人、大企業、銀行、証券会社、子供関係、娯楽関係 |
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月 | セールスマン、旅行業者、女性関係の仕事、クリーニング |
水星 | 秘書、書記、教師、設計士、通信関係、運輸、医師、アナウンサー |
金星 | 芸術家、俳優、写真家、ホテル業、女性用品、化粧品、レジ |
火星 | 外科医、歯医者、機械技術者、アスリート、鉄鋼業、軍人 |
木星 | 法律家、宗教家、出版社、ヘルパー、運動用具、海外関係 |
土星 | 請負業、不動産業、印刷業、鉱山業、宗教家、調教師、時計関係 |
天王星 | 科学技術者、発明家、電気関係、航空機、音楽家、占い師 |
海王星 | 化学製品、音楽家、プログラマー、探偵、霊感、占い師 |
冥王星 | 投機的な仕事、原子力関係、葬儀、超自然 |
現在の職業が適職でない場合、簡単に転職ができる人は、出生図(ネイタルチャート)で天王星がアンギュラーハウス(第1・4・7・10ハウス)にあるか、あるいは現在の職業を表している天体と天王星の間にアスペクトが形成されている人です。
これらの表示がなくても、トランジットまたはプログレスの天体によって天王星とのアスペクトが形成されれば転職することができます。
ソフトアスペクトだと円満退職、ハードアスペクトでは何かしこりを残しての退職となるでしょう。
ドラゴンヘッドがエレベートしている(第7〜12ハウスに入っている)人は、アルバイトを含め若い時の仕事が一生の仕事になる可能性があります。
反対にドラゴンテールがエレベートしている人は、若い時の仕事は頻繁に変化して、35歳を過ぎて一生の仕事に巡り会う可能性があります。
特にドラゴンテールがカルミネートしている(MCに最も近い位置にある)場合は、35歳以降になるまで自分の専門を決定することができません。
出生図の水星または乙女座にある天体がアンギュラーハウス(第1・4・7・10ハウス)に入居している人は、デスクワークに就く可能性があります。
これらの天体がアンギュラーハウスに入居しておらず、さらにマレフィック(火星・土星・天王星・海王星・冥王星)とコンジャンクションまたはハードアスペクトを形成している人は、デスクワークに適性がないでしょう。
ホロスコープの三区分で活動宮(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座)に天体が非常に少ない人は、迅速さが要求される仕事には向いていないでしょう。
ホロスコープの四元素で風のサイン(双子座、天秤座、水瓶座)に天体が非常に少ない人は、与えられた原稿を批判なく読むことが苦手なため、アナウンサーや司会などの職業には向かないでしょう。
ホロスコープのディスポジターでループを形成している人は重要な決断をする仕事には向いていません。
ASCと土星がタイトなコンジャンクションを形成している人は決まった仕事を手堅く進める能力に優れていますが、柔軟性を要する仕事には向いていません。
ASCと太陽がタイトなコンジャンクションを形成している人は自由な傾向があるので、経営者には向いていません。
蟹座に天体が3個以上入居している人は情に流されやすいので、冷静沈着が要求される仕事には向いていないでしょう。
上記の職業の不適性は自身の仕事のみならず他人に依頼、出資、指導などをする場合も同様に不適性となります。